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コンタクトレンズ疾患

角膜への機械的刺激による疾患

レンズについた汚れや異物が擦れて、キズをつくることがあります。またコンタクトレンズのデザインと角膜の形が合っていないと角膜上皮に障害を起こしてしまいます。

ハードコンタクトによる疾患

ハードコンタクトレンズをはずしても耳側と鼻側、時計でいう3時と9時に局所的な充血が引かない場合、眼球表面の結膜が隆起してそこに瞬きによるコンタクトの機械的刺激が慢性的に加わるために、充血が認められる様になります。この症状を「3時-9時ステイニング」といハードレンズ装用者によく見られる症状です。コンタクトのフィッティングや涙の状態が悪いことが原因のことが多い様ですが、感染、アレルギーなども原因となる場合がありますのでご相談下さい。

ソフトコンタクトによる疾患

ソフトレンズを使用中に、黒目の上部に傷が出ることがあります。黒目の上部から1〜2mmの離れたところにできる特徴があります。医学的にはepithelial splitting(エピセリアルスプリッティング)と呼ばれております。すべての人にでるわけではないのでレンズとの相性が関係していることもあります。痛みや充血が出ることがありますので、自覚して来院される場合もありますが、症状がほとんどない場合も多いです。傷の出にくいレンズに変更すると傷は消失しますが、治療のためにコンタクトレンズの中止が必要な場合もあります。

異物感や違和感、痛み等を感じるようでしたら、眼科を受診して下さい。



コンタクトレンズ装用による酸素供給不足

コンタクトレンズによる眼障害が起こる主な原因の一つが、角膜の酸素不足です。コンタクトレンズが角膜を覆うことによって、角膜が大気から酸素を供給することが妨げられ、その結果角膜が取り込める酸素の量が減少します。そして、角膜が慢性的な酸素不足に陥ると、さまざまな眼障害が起きるのです。

ハードレンズはまばたきの度に角膜の上を移動しレンズ下の涙が頻繁に交換されますので、レンズを正しく扱っている限りは、角膜上の酸素分圧は安全圏に保たれることになります。

それに比べソフトレンズは、角膜全体をすっぽり覆うため涙の交換がスムーズにできません。レンズ下の涙すべてを交換するためには、30分以上の時間がかかると言われています。そのため、酸素供給は主にソフトレンズが含む水分を通して行われることになりますが、やはり裸眼時ほどの酸素供給は行われず、含水率の高いレンズでも、目を閉じた状態の酸素分圧よりは高いというくらいの数値ですので、レンズを正しく扱っていない場合には酸素量はさらに低下し、危険な状態となります。

角膜(黒目)には血管がないため、栄養分は内側から、酸素は空気から涙を介して取り込んでいます。コンタクトレンズを使用して角膜が酸素不足になると、角膜の周囲から中央に向けて血管が侵入してきます。これを角膜新生血管(パンヌス)と呼びます。
ハードコンタクトレンズよりソフトコンタクトレンズのほうが角膜を覆う面積が大きいためにこの状態が起こりやすく、特に酸素透過性が低いレンズを長時間装用することはよくありません。角膜新生血管は黒目に侵入してくると視力が出づらくなり、更に悪化すると失明の危険性も出てきます。血管の侵入が著しい場合には、酸素透過性のよいレンズやハードコンタクトレンズに変更するか、眼鏡に変更し十分に酸素を補います。



ドライアイ

スマイルマークパターン

ドライアイとは、通常コンタクトレンズは、涙の上に浮かんでいる状態になります。目が乾いてしまうと、コンタクトが目の表面を直接擦ってしまい、細胞を傷つけてしまうこともあります。

ソフトコンタクトレンズ装用者に多いドライアイによる所見のひとつに「スマイルマークパターン」というのがあります。角膜(黒目の表面)下方に、ニッコリ笑った口の様に、弧状に細かい傷(点状表層角膜症)が集まった状態を言います。
まばたきをする時に上瞼と下瞼が合う位置に、乾燥してできやすいです。
高含水率のソフトコンタクトレンズを連続装用(眠っている時もはめたまま)したり、もともとドライアイの傾向がありながら、乾燥した場所で長時間コンタクトレンズを使用した場合に時々見られます。

軽度のものであれば、乾燥時に人工涙液の点眼(できれば防腐剤の入っていないもの)をさせば改善しますが、重症のものであれば、コンタクトレンズの種類の変更が必要なことがあります。



アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎とは、アレルゲンが結膜にふれることにより免疫反応が起きてヒスタミンが大量分泌、炎症が起きて痒みや涙がでる状態のことをいいます。

主な症状
  • 目のかゆみ・充血
  • 涙が止まらない
  • 目やにが多い
  • 目がごろごろする
  • 結膜部分がむくむ

春季カタル」という、慢性の結膜炎やアトピーの人に起きるアトピー性角結膜炎という病気もあります。かなり重症化するケースもあるため、きちんとした治療が必要です。

コンタクトレンズをしている人におきるものとしては、巨大乳頭結膜炎というアレルギー性結膜炎があります。これはコンタクトレンズの表面についたアレルゲンによって、とくに上瞼(まぶた)の裏側の結膜に炎症が起き、乳頭と呼ばれるブツブツができます。症状は最初はあまり感じないこともあります。かゆみ、レンズがずれやすくなった、レンズが妙に汚れやすい充血する目やにが増えた目にゴロゴロした異物感があるという方は眼科を受診しましょう。

これにかかると数カ月はコンタクトレンズの使用を中止して治療しなければなりません。放っておくと角膜に濁りが出て視力悪化につながります。もともとコンタクトレンズには汚れがつきやすく、炎症があったら使用は中止する必要があります。コンタクトレンズの方は3ヶ月に一度の定期検診をしっかり受けるようにしましょう。



病原菌による感染

主な症状
  • 強い目の痛み
  • ゴロゴロ感
  • 目やにが多い
  • 白目の充血

角膜の表面に傷があるときに病原菌が感染すると、角膜浸潤を引き起こします。

角膜浸潤とは、角膜(黒目)の中に白血球が集まっている状態です。通常、角膜の中には白血球はなく、白血球が入ってくるとその部分は白く濁ってしまいます。
白血球が入ってくる原因は感染と免疫反応の2つの場合があり、コンタクトレンズ装用者では前者があてはまります。
 感染の場合は、病原体として、細菌、真菌、ウイルス、アメーバなどがあります。治療は、コンタクトレンズの装用を中止して、抗菌薬を使用します。
コンタクトレンズを装用している場合に特に注意すべきことは、コンタクトレンズやケース、指を介して、これらの病原体で感染が生じてしまうことです。とくに角膜に傷がついている状態で、不潔な指で触れたきたないコンタクトレンズを装用すると感染症が生じやすくなります。近年ではソフトコンタクトレンズを使用している若者の不適切な取扱により、感染症が引き起こされるケースが多発しています。

治療せずに放置すると角膜潰瘍(角膜実質までの損傷)や角膜穿孔(角膜に穴があく)等の重篤な疾患を引き起こし、最悪の場合細菌等が眼球に入り失明にいたります。

角膜感染症の症状は一般的に、いずれもなどがあります。検査は細隙灯[さいげきとう]顕微鏡による病変部の観察、フルオレセインによる生体染色、場合によっては病原体の分離培養などを行います。病原体の種類によって治療も異なるので、初めに正しい診断をすることが何より重要です。

細菌性のものは初期なら市販の抗菌薬の点眼で治ることもありますが、細菌の種類が合わないと症状が進みます。真菌性やアカントアメーバは市販の点眼薬では治りにくく、診断も難しいといわれています。コンタクトレンズを使っている方は正しい使い方を守り、特に目の異常には気を付けて定期検診を怠らないことが重要です。



よくあるご質問

コンタクトレンズがズレやすくなったんですが・・・
まぶたの裏にブツブツができているせいかも知れません。無理してコンタクトレンズを使用した時などにまぶたの裏に炎症が起きることがあります。コンタクトレンズの使用を控え、必要に応じて点眼薬を処方してもらいましょう。
夕方になるとコンタクトレンズが乾燥してゴロゴロしだします・・・
汚れがたまってくるとレンズが乾燥しやすくなります。早めにはずして眼鏡を使用するか目薬を使用し眼に必要な成分を与えることで改善する場合があります。
コンタクトをつけたまま寝るとどうなるんですか?
角膜は眠っている間も酸素を必要とするため、角膜が酸素不足になってトラブルがおきてしまう場合があります。仮眠程度の短時間であっても必ずはずすようにしてください。
海外旅行でハードコンタクトレンズを洗浄する時、水道水で大丈夫ですか?
成分的に水道水の成分が石灰や鉄分が多めだったりすると、飲める水道水であってもハードコンタクトに傷がついてしまうこともありますので、ミネラルウォーターで洗浄する方が無難であると思われます。
コンタクトレンズを使用していると、とにかく乾燥するんですが・・・
パソコン入力やデスクワーク、コンピュータゲームなど、目の前の1点を見つめながら集中して作業すると、まばたきの数が減少し、乾燥感へとつながります。
乾燥感対策としては・・・
  • 意識してまばたきの回数を増やす。
  • パソコンの画面などは正面ではなく、やや下目づかいで見れるよう机、いすの高さを調節する。
  • コンタクトレンズを装用したまま点眼できる人工涙液の目薬を利用するなどが挙げられます。
また無意識におこなうまばたきでは、まぶたが完全に閉じきっていない方もいらっしゃるため、特に注意が必要です。
コンタクトレンズをしたまま海やプールにはいれますか?
海やプールでは、目に水が入りコンタクトレンズを紛失してしまうおそれがあります。また、海水などの塩分やプールの消毒剤などがコンタクトレンズに悪影響を与えてしまい眼障害を引き起こす可能性もあります。
このため、基本的に、泳ぐ時はコンタクトレンズを外すことをおすすめします。1日使い捨てコンタクトレンズを装用されていた場合は海やプールから上がった後、新品のコンタクトレンズに交換してください。泳ぎ終わった後の目は雑菌が繁殖しやすくなっていますので、時間を置いてから装用するようにしてください。
花粉症がひどいんですが、コンタクトは使用できますか?
アレルギー体質すべての人が使えない訳ではありませんが、通常よりコンタクトレンズが汚れやすくなることがあります。また、コンタクトレンズを使用することでアレルギー症状が悪化する場合があります。個人差もございますので、詳しくは眼科医にご相談ください。
コンタクトレンズに化粧品がついてしまったようです。どうしたらいいですか?
コンタクトレンズにマスカラ等の化粧品が付着した場合、なかなか落ちにくいものです。 コンタクトレンズはお化粧をする前の清潔な手で付けるようにして下さい。
また、お化粧を落とす時はしっかり目をつぶり、目の中にメイク落としが入らないようにご注意下さい。化粧品がコンタクトレンズに付着した場合には一度コンタクトレンズをはずし、洗浄液で優しく丁寧にこすり洗いをしてみて下さい。それでも解消しない場合は、コンタクトレンズ購入先や眼科にご相談ください。
装用中に急な痛みを感じたらどうすればいいですか?
ちいさなホコリやゴミが目とコンタクトレンズの間に混入した可能性があります。すぐにコンタクトレンズを外してからもう一度よく洗浄してから装用して下さい。それでも痛みがとれない場合はすぐに眼科で診察を受けてください。
また、コンタクトレンズの装用中だけ痛みを感じる場合は、コンタクトレンズにキズや破損があったり、汚れが蓄積されている可能性があります。コンタクトレンズ購入先にご相談ください。
眼ヤニが多く出てしまいます。どうしたらいいですか?
すぐにコンタクトレンズを外して、 眼科医の診察を受けてください。そのまま装用を続けていると、重篤な眼障害につながることもありますのでご注意ください。

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